ハヤシ歯科レポート

厚生局へ届出た施設基準について

当医院は、以下の施設基準等に適合している旨、厚生労働省地方厚生(支)局に届出を行っています。

・医療情報取得加算
当医院では、オンライン資格確認システムを導入しており、マイナンバーカードが健康保険証として利用できます。患者さんの薬剤情報等の診療情報を取得・活用して、質の高い医療提供に努めています。マイナ保険証の利用にご協力ください。

・医療DX推進体制整備加算
当医院では、オンライン資格確認などを活用し、患者さんに質の高い医療を提供するための十分な情報を取得し、診療実施の際に活用しています。

・明細書発行体制等加算
個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を無料で発行しています。
なお、必要のない場合にはお申し出ください。

・歯科技工加算1・2
院内に歯科技工士がおりますので、迅速に義歯(入れ歯)の修理及び軟質材料を用いた義歯内面の適合状態の調整を行います。


オルコア検査で見える、口腔から始まる全身の健康管理

私たちハヤシ歯科では、口腔と全身の健康を包括的に見つめるための一歩として、「オルコア検査(ORCOA)」の導入をおすすめしております。
オルコアは、歯周病・虫歯リスクに加え、全身疾患とも深い関わりを持つ口腔内のリスク因子を科学的に測定・分析する先進的な検査です。

オルコア検査とは?
オルコア(ORCOA)は、「Oral Condition Observation & Analysis」の略で、歯周病菌・虫歯菌・口腔内の炎症マーカーやpHバランスなど複数の指標を解析し、その方の口腔内リスクを科学的に可視化することを目的とした検査です。
検査はプラーグを採取するだけで完了し、身体への負担も少なく、短時間で実施できます。具体的には、以下のような項目を測定・分析します。
・歯周病関連菌(Pg・Td・Tf菌など)の量
・虫歯のリスクを高めるミュータンス菌の存在
・唾液中のタンパク質量
・酸性度(pH値)と緩衝能
・酸素濃度や揮発性硫黄化合物(口臭の原因物質) など
これらの数値を総合的に評価することで、将来の疾患リスクや現在の口腔内の状態を正確に把握することが可能です。

※出典:オルコア公式サイト
https://orcoa.jp/

オルコア検査を受けるメリット
① 疾患予防の質的向上
一般的な視診やレントゲン検査では見えにくい口腔内の微生物環境や唾液成分を可視化することで、一人ひとりに最適化された予防・治療計画の立案が可能となります。

② 全身疾患リスクの早期発見に寄与
近年、歯周病と糖尿病・心疾患・認知症などとの関連性が明らかにされてきています。オルコアでリスク因子を早期に把握することは、全身の健康寿命延伸にもつながる大きな意味を持ちます。

健康意識の高いライフスタイルの指標に
数値で現れる結果は、日々のブラッシングや食生活、生活習慣の見直しにもつながり、「見える化された健康管理」を実現します。
口腔内の小さな変化は、やがて全身の健康にも影響を及ぼします。

ハヤシ歯科では、オルコア検査を通じて、患者様一人ひとりが科学的根拠に基づいた歯科予防と質の高いライフケアを実践できるよう、全力でサポートいたします。
ご興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。


口腔機能検査とは? ― 健康寿命を支える「噛む・飲み込む・話す力」の科学的評価

年齢を重ねても、自分の歯で食事を楽しみ、明瞭な発音で会話を交わし、安全に飲み込む——それは豊かな人生を支える「口腔機能」があってこそ実現するものです。
ハヤシ歯科では、健康寿命の延伸をサポートするための口腔機能検査を積極的にご案内しています。

口腔機能検査とは?
口腔機能検査とは、「噛む・話す・飲み込む」などの口腔機能が適切に働いているかを多角的に評価する検査です。
日本老年歯科医学会では、加齢や疾患に伴って生じる「口腔機能の低下=オーラルフレイル」が全身のフレイル(虚弱化)や認知症リスクの入り口になることを指摘しており、その早期発見と対応が極めて重要とされています。
これらの機能がバランスよく保たれていることが、日常生活の質(QOL)を維持する鍵となります。

※出典:「日本老年歯科医学会」
https://www.gerodontology.jp/committee/001190.shtml

検査の対象となる方
口腔機能検査は、次のような方に特におすすめです:
・最近「食べにくさ」「むせやすさ」「滑舌の低下」などを感じている方
・健康診断で体重減少や筋力低下を指摘された方
・ご自身の将来の健康に備え、「予防的な口腔ケア」を始めたいとお考えの方
・定期的に歯科検診を受けていて、さらに一歩進んだ健康管理を望まれる方

■ 検査によって得られる効果とは?
口腔機能検査の結果に応じて、個別のアプローチによる改善が可能です。
・咀嚼・嚥下訓練により誤嚥性肺炎の予防
・舌圧・唇閉鎖力のトレーニングで、食べこぼし・滑舌の改善
・唾液分泌を促すケアで、ドライマウスや口臭の軽減
・結果をもとにした栄養指導や運動支援との連携により、全身の健康維持へ

*出典:一般社団法人 日本口腔機能学会「口腔機能全般の基礎情報」
https://jsofunctional.jp

ハヤシ歯科では、予防歯科の先進的な取り組みの一環として、口腔機能検査を定期的にご提供しています。
検査後は、結果に基づいた個別の機能回復プログラムをご提案し、専門スタッフが継続的なフォローを行います。

「いま何も困っていない」――その段階からこそ、検査の意義があります。
ご自身の「これからの10年」を守る第一歩として、ぜひ一度ご検討ください。


唾液から読み解く、口腔リスクと健康管理

口腔内の健康は、全身の健康にも密接に関わる重要な要素です。特に、健康寿命の延伸を意識される40代から70代の方にとって、歯科疾患のリスクを事前に把握し、適切な予防策を講じることは、非常に意義深いものとなります。
ハヤシ歯科では、患者様一人ひとりに合わせた精度の高い診療を実現するために、「唾液検査」を積極的に取り入れております。今回は、唾液検査の特徴やメリットについて詳しくご案内いたします。

唾液検査とは
唾液検査とは、唾液中に含まれる成分や細菌量を測定し、口腔内のリスク要因を可視化する検査です。専用のツールを使用して短時間で採取・分析が可能で、患者様への負担も少なく、安心して受けていただけます。

検査項目には以下のようなものが含まれます。
・むし歯リスク(細菌の種類・数)
・歯周病リスク(歯周病菌の存在)
・唾液の緩衝能(酸を中和する力)
・唾液分泌量

これらのデータを基に、口腔内の健康状態を科学的に把握し、最適な予防プランを立てることが可能となります。



唾液検査のメリット
1. 口腔リスクを「見える化」
唾液検査により、口腔内に潜むリスク因子が数値として明確に把握できます。目に見えないリスクを客観的に知ることで、ご自身に合った的確なケアを実践できるようになります。

2. パーソナライズされた予防プログラム
ハヤシ歯科では、唾液検査の結果をもとに、患者様一人ひとりに合わせた予防プログラムをご提案しております。むし歯リスクが高い方には、より重点的なケアを。歯周病リスクが高い方には、歯肉にアプローチしたプランを組み立てるなど、個別性の高い予防管理を可能にします。

3. 全身疾患との関連リスクも評価
歯周病は、糖尿病や心疾患、脳卒中など、さまざまな全身疾患と関連性が指摘されています。唾液検査を通じて歯周病リスクを早期に把握し、適切な予防・治療を行うことで、全身の健康を守る一助にもなります。

※出典:
厚生労働科学研究成果データベース
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2018/182031/201809022A_upload/201809022A0006.pdf

唾液検査を受けるタイミング
唾液検査は、初診時はもちろん、定期検診の際にも行うことで、経時的なリスク変化を把握することができます。特に以下のような方におすすめです。
・むし歯や歯周病を繰り返している方
・生活習慣に不安がある方
・口臭が気になる方
・矯正治療やインプラント治療を予定されている方

ハヤシ歯科では、唾液検査をはじめとする最新の検査技術を導入し、患者様の口腔内環境の最適化に努めております。
長く健康的な口元を維持するためにも、ぜひ一度ご相談ください。


睡眠時無呼吸症候群(SAS)と歯科治療:認知症・循環器疾患予防への新たなアプローチ

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が繰り返し停止または低下する病態であり、いびきや日中の強い眠気だけでなく、放置することで様々な全身疾患を引き起こすことが知られています。特に近年では、SASが認知症や高血圧・心筋梗塞などの循環器疾患と深く関係していることが明らかになってきました。

SASと全身疾患との関連
日本睡眠歯科学会によると、SASは睡眠中の酸素不足を引き起こし、脳や心臓への負担が蓄積されることで、脳機能の低下や動脈硬化を誘発します。その結果として、認知症のリスクが上昇し、さらに心不全や脳卒中など命に関わる循環器疾患の発症リスクも高まるのです。特に中高年層では、SASが健康寿命を大きく左右する因子であるとされています。

歯科でのマウスピース治療:非侵襲的かつ効果的な選択肢
SASの治療法としては、一般的にCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)が知られていますが、軽度から中等度のSASやCPAPが合わない方には、歯科で製作される「口腔内装置(マウスピース)」が有効です。
このマウスピースは、下顎をわずかに前方に固定することで気道の閉塞を防ぎ、睡眠中の呼吸を確保します。携帯性が高く、違和感も少ないため、多くの患者様にとって継続しやすい治療法といえるでしょう。ハヤシ歯科では、各患者様の顎の形状や症状に応じた精密な型取りと調整を行い、機能性と快適性を兼ね備えた装置をご提供しています。

医科歯科連携の重要性:早期発見と予防の鍵
SASは本人が自覚しにくい疾患であり、医科と歯科の連携による早期発見と介入が極めて重要です。ハヤシ歯科では、耳鼻咽喉科や睡眠専門医との連携体制を整え、必要に応じてスムーズに診断・治療へとつなげる体制を構築しています。
また、問診時には睡眠に関する症状や生活習慣について丁寧にお伺いし、SASのリスクが疑われる場合には速やかな医科的検査をご案内いたします。

中高年層に多く見られるSASは、単なる「いびき」の問題ではなく、認知機能や心血管の健康に深く関わる全身性の疾患です。
ハヤシ歯科では、歯科的アプローチによる予防と改善を通じて、皆さまの健康寿命の延伸に貢献してまいります。
「最近いびきが気になる」「日中の眠気が取れない」といったお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

【参考】
一般社団法人 日本睡眠歯科学会
https://jadsm.jp/ippan/about_sas.html