ハヤシ歯科レポート

厚生局へ届出た施設基準について

当医院は、以下の施設基準等に適合している旨、厚生労働省地方厚生(支)局に届出を行っています。

・医療情報取得加算
当医院では、オンライン資格確認システムを導入しており、マイナンバーカードが健康保険証として利用できます。患者さんの薬剤情報等の診療情報を取得・活用して、質の高い医療提供に努めています。マイナ保険証の利用にご協力ください。

・医療DX推進体制整備加算
当医院では、オンライン資格確認などを活用し、患者さんに質の高い医療を提供するための十分な情報を取得し、診療実施の際に活用しています。

・明細書発行体制等加算
個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を無料で発行しています。
なお、必要のない場合にはお申し出ください。

・歯科技工加算1・2
院内に歯科技工士がおりますので、迅速に義歯(入れ歯)の修理及び軟質材料を用いた義歯内面の適合状態の調整を行います。


女性と歯周病ーー女性の口腔内環境はなぜデリケートなのか

歯周病は「歯を失う最大の原因」といわれています。加齢によるリスクだけでなく、性差も大きな要因です。特に女性は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの変動によって、口腔内の状態が大きく左右されることが知られています。
月経・妊娠・出産・更年期という人生の節目ごとにホルモンバランスが変化し、そのたびに歯ぐきの炎症や出血、歯周病の進行に影響を与えるのです。

ホルモンと歯ぐきの血流の関係


エストロゲンやプロゲステロンは、血管の透過性を高める働きを持ちます。そのため、同じプラーク量であっても、ホルモンの影響を受けた女性は歯肉が腫れやすく、出血しやすい状態になります。
これは決して清掃不足や怠慢の結果ではなく、体の自然な反応です。しかし、その状態が長期化すると、歯周病菌にとっては格好の繁殖環境となり、結果的に歯周病の進行を加速させる危険性があります。

思春期における歯周組織の変化


思春期には女性ホルモンの分泌が急激に高まり、「思春期性歯肉炎」と呼ばれる症状が見られることがあります。これは、まだ永久歯が生え揃う段階にありながら、歯肉が腫れやすくなる現象です。
この段階での口腔ケア不足は、大人になってからの歯周病リスクに直結します。つまり、女性の歯周病対策は早い時期から意識する必要があるのです。

妊娠期と歯周病リスク


妊娠中は特に歯周病リスクが高まる時期です。プロゲステロンの急増により歯肉が炎症を起こしやすくなり、「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる症状が頻発します。さらに、つわりなどで十分に歯磨きができなくなると、プラークが蓄積し、歯周病を悪化させる要因となります。
近年の研究では、歯周病が早産や低体重児出産のリスク因子となる可能性も指摘されており、妊娠期の口腔管理は母体と胎児双方にとって重要です。

更年期と歯周病の関係


40代後半から50代にかけて訪れる更年期は、エストロゲン分泌が急激に低下する時期です。エストロゲンには骨代謝を調整する作用があるため、その低下は骨粗鬆症のリスクだけでなく、歯槽骨の吸収にもつながります。結果として、歯周病の進行速度が加速するのです。
実際に更年期女性は歯周病の進行によって歯を失うリスクが高まることが知られています。そのため、この時期には「予防歯科」としての定期的な歯科ドック受診が極めて有効です。

女性特有のリスクに備えるために


女性の歯周病管理で大切なのは、ライフステージに応じたケアを意識することです。思春期・妊娠期・更年期と、それぞれ異なるリスク因子を踏まえたうえで、歯科医師や歯科衛生士と二人三脚で取り組むことが欠かせません。
ハヤシ歯科では、女性のライフステージごとに適切な診査・診断・ケアを行い、歯を一生守るサポートをしています。特に当院の「歯科ドック」では、唾液検査や口腔内細菌の状態、骨の健康まで含めて精密に評価することで、個々に最適化された予防プログラムを提案しています。

女性ホルモンと免疫機能の関係


女性ホルモンの変動は、歯肉や血流だけでなく免疫応答にも深く関わります。エストロゲンは免疫系のバランスを調整する役割を担い、炎症反応を抑える方向に働く一方で、過剰な免疫抑制は感染に対する防御力低下を招くことがあります。
そのため、ホルモンの増減が激しい時期には、歯周病菌(Porphyromonas gingivalis など)に対する抵抗力が弱まり、炎症が長引く傾向があります。特に妊娠期や更年期は、免疫力の変動と重なって歯周病の悪化がみられるケースが多いのです。

プラークコントロールの重要性


歯周病の直接的な原因は、やはりプラーク(細菌の集合体)です。女性ホルモンの影響で炎症反応が強く出るからこそ、徹底したプラークコントロールが必要です。
セルフケアとしては、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを日常に取り入れることが有効です。しかし、セルフケアではどうしても限界があり、歯肉縁下プラークや歯石は歯科医院でしか除去できません。
ハヤシ歯科では、歯科衛生士による定期的なプロフェッショナルケアと、患者様ごとの生活習慣に合わせたセルフケア指導を組み合わせることで、歯周病リスクを最小限に抑えるサポートを行っています。

栄養と歯周病リスク


女性は更年期以降、骨粗鬆症リスクが高まると同時に、歯槽骨の吸収によって歯周病が進みやすくなります。ここで重要なのが栄養素のバランスです。カルシウムやビタミンD、ビタミンK2は骨代謝を維持するために不可欠であり、同時に歯槽骨の健康を守る鍵となります。
また、ビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化物質は、歯周組織における炎症を抑制する働きがあると報告されています。これは食事療法というよりも、日々の食生活の質を高めることで自然に得られる効果です。ハヤシ歯科では、歯科ドックの一環として食生活や栄養摂取のアドバイスも行い、全身の健康維持と歯の長寿命化を両立させることを目指しています。

喫煙・ストレス・生活習慣の影響


歯周病においては、喫煙が最大のリスク因子の一つです。女性の場合、喫煙はホルモン分泌に悪影響を与え、更年期症状を早めたり強めたりすることもあります。喫煙による血管収縮は歯肉の血流を阻害し、歯周病の進行を隠す一方で、治療効果を減弱させるため注意が必要です。
また、慢性的なストレスはコルチゾールの分泌を増加させ、免疫力低下と炎症の悪化につながります。現代の働く女性や家庭を支える女性にとって、ストレスマネジメントは歯周病予防の一環ともいえるでしょう。

最新研究からみる「女性と歯周病」


近年の研究では、女性ホルモンの変動と口腔内マイクロバイオーム(細菌叢)の変化が密接に関連していることが明らかになってきました。
例えば、閉経後の女性ではエストロゲンの低下によって腸内細菌や口腔内細菌の多様性が変化し、炎症性疾患のリスクが高まるという報告があります。
この知見は、今後「個別化医療」として、ホルモン状態や細菌叢を総合的に評価しながら歯周病治療を行う方向性を示しています。ハヤシ歯科が提供する歯科ドックも、まさにこうした予防歯科の最先端を意識したプログラムであり、唾液検査や遺伝的リスク評価を組み込むことで、より正確な予防・治療計画を可能にしています。

女性と歯周病の関係を理解すると、予防の重要性がより鮮明になります。ホルモン変動という避けられない要因が存在する以上、自らの努力だけでは限界があります。
だからこそ、歯科医院と連携した「予防歯科」が必要なのです。定期的な歯科ドックを通じて自身のリスクを把握し、早期に対策を講じることが、結果的に歯の寿命を延ばし、全身の健康を守ることにつながります。

※出典:日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響」
https://www2.jacp.net/perio/effect/

セルフケアの徹底がもたらす効果


歯周病予防の第一歩は、日常的なセルフケアにあります。女性特有のリスクを考慮すれば、ライフステージごとに重点を置くケアの仕方が異なります。
例えば思春期では、歯磨き習慣を確立することが最重要です。妊娠期はつわりなどでブラッシングが困難になるため、うがいをこまめに行うなど代替的なケアも取り入れる必要があります。更年期には、歯肉の退縮や唾液分泌の減少が起こりやすいため、保湿ジェルや低刺激の歯磨き粉を用いたケアが効果的です。
このように「どの時期に、どのようなケアを優先するか」を理解して実践することが、女性にとってのセルフケア成功の鍵となります。

プロフェッショナルケアとの二人三脚


セルフケアだけでは歯周病を完全に予防することはできません。特に歯肉縁下のプラークや歯石は、専門的な器具を用いなければ除去できないため、歯科医院での定期的なクリーニングが不可欠です。
ハヤシ歯科では、歯科衛生士が患者様一人ひとりのリスクに基づいてケアプログラムを設計しています。たとえば、歯周ポケットの深さや出血の有無を評価したうえで、クリーニングの頻度や方法を決定し、さらにセルフケアの指導を行います。このようなプロフェッショナルケアとセルフケアの組み合わせこそが、歯周病予防の王道といえるのです。

歯科ドックの役割と具体的な内容


ハヤシ歯科が提供する「歯科ドック」は、女性の口腔内環境を包括的に評価できる当院の強みです。歯科ドックでは以下のような検査を行います。
・唾液検査:唾液の分泌量や緩衝能、細菌数を測定し、抵抗力の強さを把握。
・口腔内写真・レントゲン:歯肉や歯槽骨の状態を視覚的に評価。
・細菌検査:プラーク中の歯周病原菌の有無を確認。
・リスク評価:全身疾患や生活習慣を含めた総合的な評価。

これにより、女性特有のホルモン変動やライフスタイルを踏まえた「個別化予防プラン」を立案できます。特に更年期を迎える女性にとって、歯科ドックは歯の寿命を延ばすための最も確実な投資といえるでしょう。

海外研究との比較から見える日本の課題


欧米ではすでに「女性と歯周病」の関連性に注目した研究が多く進められています。米国歯周病学会(AAP)は、妊娠期における歯周治療が早産リスクの低減に寄与する可能性を報告しており、予防的アプローチの重要性を強調しています【AAP, https://www.perio.org】。
一方で日本では、女性のライフステージに応じた口腔管理が十分に一般化していない現状があります。これは今後の予防歯科における大きな課題であり、ハヤシ歯科としても地域社会に発信し続けるべきテーマだと考えています。

全身の健康との関連性


歯周病は単なる口腔内の病気にとどまりません。動脈硬化や糖尿病、骨粗鬆症など全身疾患との関連が多数報告されています。特に女性は、更年期以降に骨密度が低下することから、歯槽骨の吸収リスクが全身の骨代謝と密接に関わります。
つまり歯周病対策は、歯を守るだけでなく全身の健康寿命を延ばすことにつながるのです。ハヤシ歯科が掲げる「歯科ドック」と「予防歯科」の理念は、この全身とのつながりを意識したものです。

歯周病予防を未来の「投資」として捉える


歯周病は慢性疾患であり、放置すると歯の喪失へ直結します。しかし予防の観点から見れば、歯周病は「最もコントロール可能な病気」とも言えます。女性にとって、ライフステージごとのホルモン変動や免疫力の変化は避けられません。それでも、定期的な歯科ドックと予防歯科を通じた管理を行えば、歯の寿命を延ばし、さらには健康寿命そのものを延ばすことができます。
これは単なる医療行為ではなく、将来のQOL(生活の質)への投資です。特に40〜70代の方にとっては、健康な歯があることが社会活動や趣味の継続、さらには人との交流を楽しむ基盤となります。

日本と海外の「予防歯科」文化の違い


欧米諸国ではすでに、定期的に歯科医院へ通い「歯を守る」という考え方が浸透しています。スウェーデンやフィンランドでは、予防歯科の徹底によって歯の残存数が飛躍的に改善し、80歳を超えても自分の歯で食事を楽しむ人が珍しくありません。
一方、日本では依然として「痛みが出たら歯医者に行く」という受け身の意識が根強く残っています。女性のライフステージごとの変化を踏まえれば、むしろ積極的な予防歯科こそが欠かせないにもかかわらず、その重要性はまだ十分に理解されていません。

エビデンスに基づく診療


歯周病治療や予防歯科に関しては、多くの科学的研究が存在します。例えば、米国国立衛生研究所(NIH)は女性ホルモンと歯周組織の炎症との関連を明確に示し、更年期以降の女性における骨量減少と歯周病進行の関係を強調しています。
また、近年のシステマティックレビューでは、歯科ドックのような包括的評価と定期的ケアが、歯周病の発症率を有意に低下させることが報告されています。
ハヤシ歯科は、こうした最新のエビデンスに基づき、常にアップデートされた予防プログラムを提供しています。

女性の患者様へ:人生を通じた伴走者として


女性は人生を通じて、口腔内環境に揺らぎを経験します。その時々で必要とされるケアは異なりますが、一貫して変わらないのは「早めに気づき、対処することの大切さ」です。
ハヤシ歯科では、患者様の現在の状態を丁寧に評価するだけでなく、将来起こり得るリスクを見据えたプランニングを行います。歯科ドックを基盤にした予防歯科の実践は、単なる検査や治療ではなく、一生涯を通じた健康の伴走に他なりません。

結びに
患者様へのメッセージ


「女性と歯周病」というテーマは、医学的にも社会的にも今後ますます重要性を増していく分野です。女性の健康寿命を考えるとき、歯の健康を抜きに語ることはできません。
女性は一生を通じてホルモンの変化にさらされます。その影響は目に見えにくい形で口腔内に現れ、放置すれば歯周病として進行してしまいます。
しかし逆にいえば、正しい知識を持ち、適切なセルフケアと定期的な歯科ドックを実践すれば、歯周病は十分にコントロール可能です。ハヤシ歯科では、女性の患者様一人ひとりに寄り添い、口腔の健康を一生涯支えるパートナーでありたいと願っています。


歯科ドックで人生の歯を守る|ハヤシ歯科の予防歯科戦略

「自分の歯を一生大切にしたい」——40〜70代の皆様にとって、これは単なる願いではなく、健康寿命を左右する生活の質の核心です。
ハヤシ歯科では、ムシ歯や歯周病だけでなく、噛み合わせ、顎関節、口腔機能、全身との関連を含めた「歯科ドック」を予防歯科の柱と位置づけ、患者様の歯と笑顔を将来にわたって守るための制度を整えています。以下、その内容とメリット、他にはない強みについて詳しくご紹介いたします。

歯科ドックとは何か
「歯科ドック」は、人間ドックの歯科版とも言える、口腔全体を包括的・精密に検査する制度です。ハヤシ歯科の歯科ドックは、以下の目的を持っています:
・現在のお口の健康状態を正確に把握する
・痛みを伴わない段階でムシ歯・歯周病・噛み合わせ異常などを早期発見する
・将来起こりうる問題を予測して、予防的な対策を計画する
・患者様自身の生活習慣や全身健康との関連も考慮に入れる
これにより、治療に頼るだけでなく、予防歯科としての質を高め、口腔内のトラブルを未然に防ぐことができるのです。

ハヤシ歯科の歯科ドックの内容
ハヤシ歯科では、歯科ドックのメニューを以下のように構成しております。検査は痛みを伴うものは含まれず、約10日ほどで結果報告・相談を行います。精密さと安心を追求した内容です。
1.問診
お困りの症状、生活習慣、全身疾患や体質などを詳しく伺うことで、個人のリスクを明確にします。
2.レントゲン撮影
歯1本1本のムシ歯、歯周病、および骨の状態を把握します。口腔外科専門医とも連携する場合があります。
3.口腔がんチェック・軟組織検査
舌、歯茎、口の底などの軟組織をチェックします。異常の早期発見は全身の健康にも影響します。
4.顎関節チェック・筋肉触診
噛み合わせや顎関節、咀嚼筋の異常を診ることで、将来的な顎の問題や筋骨格系への影響も評価します。
5.噛み合わせ・プラークチェック・歯周病チェック
プラークの付着の癖や磨き残し、歯周組織の健康度を評価し、歯周病の進行度を調べます。
6.唾液検査・細菌チェック(顕微鏡観察)
唾液の性質、細菌の種類と量を調べることで、個人の虫歯・歯周病リスクを可視化します。
7.歯の写真撮影・クリーニング
口腔内を複数枚撮影し、診断書として保存。クリーニングで汚れを除去し、ムシ歯検査を補助します。
8.ムシ歯の検査
初期から進行した虫歯まで、レントゲン・視診・触診を組み合わせて調べます。
9.結果報告・予防計画の相談
約10日後に検査結果を患者様にご説明。写真・レントゲン・細菌検査データをもとに、オーダーメイドの予防・治療プランを立てます。

なぜハヤシ歯科の歯科ドックが強みか
ハヤシ歯科がこの歯科ドック制度に力を入れる理由には、以下のような強みがあります:
1.精密な検査設備と熟練の技術
歯科医師・歯科衛生士が長年培ってきた実績を背景に、設備と技術の両面で高い精度を保証できます。
2.全身の健康との関連性の重視
歯周病は糖尿病、心疾患、骨粗鬆症など、全身疾患との関連が指摘されています。ハヤシ歯科では、日本歯周病学会のガイドラインにもとづき、こうした全身リスクへの配慮を診断の中に含めています。
3.痛みを伴わない検査過程
ドック検査の多くが非侵襲的であり、患者様の負担が少ない設計となっています。安心してご利用いただけることが特徴です。
4.オーダーメイドの予防・治療計画
検査結果に応じて、一律のアプローチではなく、個々の口腔状態・生活習慣・全身状態にあわせたプランを提案します。これにより、予防歯科の効果が最大限になるよう努めています。
5.検査の見える化
歯の写真撮影やレントゲン画像、細菌チェックなどを用いて、患者様が自分の口腔状況を理解できるよう、データや画像で結果を丁寧にご説明します。これにより、セルフケア改善につながります。

歯科ドックが予防歯科におけるメリット
「予防歯科」の基本は、問題が発生してから対処するのではなく、問題が起きる前に手を打つことです。歯科ドックを受けることで得られるメリットには以下があります:
・ムシ歯・歯周病の早期発見:初期病変は自覚症状が少なく、痛みなどが出たときには進行していることが多い。ドックで可視化可能。
・治療コストの削減:進行した歯周病や虫歯には手間とコストがかかるため、早期対応が長期的な費用対効果を高めます。
・生活習慣改善の契機になる:検査結果を通じて、自身のプラーク付着傾向、唾液・細菌リスク、噛み合わせの異常などが明らかになり、セルフケアのモチベーションが高まります。
・全身健康維持との連携:歯周病との関連性が明らかな疾病(糖尿病、心血管疾患、骨粗鬆症など)のリスクを低減させる可能性があります。
・口腔機能・噛み合わせの維持:正しい噛み合わせは食事・発声・顔貌にも影響を及ぼし、生活品質そのものを支える要素です。

歯科ドックを受けるべき方の条件
ハヤシ歯科では、以下のような方に特に歯科ドックをおすすめしています。これは、歯科ドックの対象として効果の高い方の特徴です。
・ご自分の歯を一生大切にしたいと考えている方
・ムシ歯や歯周病に不安がある方
・妊娠中または妊娠を予定している方(特に歯周病が重度である場合は早産・低体重出生児のリスク増加との関連性があります)
・噛み合わせや歯並びに関心のある方
・全身の健康状態を重視される方。例えば糖尿病、心疾患、骨粗鬆症などの疾患をお持ちの方や、全身健康との関係を気にされる方。

ハヤシ歯科で歯科ドックを受ける流れ
歯科ドックをスムーズかつ有益にするための流れを以下にまとめます。ご興味のある方はこの流れを参考になさってください。
1.ご予約・問診票の記入
問診にてお体の過去病歴・生活習慣・お困りのことを伺います。
2.検査実施
レントゲン・口腔がんチェック・噛み合わせ・唾液検査・細菌チェック・歯周病・プラークのチェック等を行います。
3.クリーニング・ムシ歯チェック
汚れを除去し、見落としがちなムシ歯のチェックを行います。
4.データ収集・記録
口腔内写真を複数方向から撮影し、診断書にまとめます。
5.結果報告・予防治療プラン作成
約10日後に、検査結果をもとにカウンセリングルームにて、オーダーメイドの予防・治療プランを患者様と共に作成します。

歯科ドックと予防歯科の関係性:戦略的視点
「予防歯科」は単に歯科疾患の予防だけでなく、健康寿命を延ばす医療戦略です。歯科ドックは、予防歯科の中でも最も包括的な形式であり、以下のような戦略的意義があります。
・早期発見・早期介入によって、疾患の進行を最小限に抑える
・治療より予防へのシフトにより、痛み・不快感・医療コストの負担を軽減
・セルフケアとプロケア(専門的ケア)の統合による口腔環境の質的維持
・全身疾患との予防的な連動—見逃されがちな口腔の炎症が、糖尿病や心血管系疾患に悪影響を及ぼすとのエビデンスが増えています

当院の使命と展望
ハヤシ歯科は、1973年に開業以来、二世代にわたって地域の皆様の歯科医療を支えてまいりました。この歴史を背後に、以下のような未来を見据えております:
・定期的な歯科ドックをライフスタイルの一部として定着させる
・予防歯科の教育・啓発を強化し、住民全体の口腔健康意識を高める
・最新技術・検査法を積極的に導入し、診断精度・快適性を向上させる

歯科ドックは模範的な予防歯科そのものであり、ハヤシ歯科の強みです。痛みが出る前、目立つ症状が出る前に口腔の現状を知り、自分の歯を一生大切にするための計画を立てること。それが、笑顔と美味しい食事、快適な生活の基盤となります。
この機会に、どうぞ歯科ドックをご検討ください。ご不明な点やご相談は、ハヤシ歯科のスタッフまでお気軽にお問い合わせを。


歯科衛生士の学びを未来の診療へ|院内セミナー参加報告

ハヤシ歯科では、常に最新の知識と技術を取り入れ、患者様に質の高い歯科医療をお届けすることを大切にしています。その一環として、当院の歯科衛生士が院内セミナーに参加し、歯石除去(SRP:スケーリング・ルートプレーニング)に関する専門的な学びを深めました。

◾️セミナーで学んだ内容
今回のセミナーでは、特に以下の点について実習と講義が行われました。
1.縁下歯石の除去法(SRP)
歯肉の下に沈着する縁下歯石は、プラークが石灰化して形成され、歯ブラシでは除去できません。これを取り除くために用いられるのが「キュレット」と呼ばれる専用器具です。セミナーでは、その正しい操作方法や臨床での活用法を改めて学びました。

2.キュレットのシャープニング(刃の研ぎ直し)
器具の切れ味は施術の精度に直結します。セミナーでは、シャープニングの基本と効率的な管理方法を学ぶことで、日々のメンテナンスの重要性を再認識しました。

3.器具メンテナンスの基礎
単に施術法だけでなく、器具そのものを良好な状態で維持する方法も習得。これにより、安全性と快適性を兼ね備えた治療環境を整えることが可能になります。

◾️学びを通じて得られたこと
歯科衛生士にとって、SRPは歯周病治療に欠かせない技術です。今回のセミナーにより、以下の気づきと成長がありました。
・理論と実践の両面で技術を再確認できたことで、施術の精度が高まる。
・器具管理を徹底することが、治療の効率性と患者様の快適性の向上につながる。
・チームとして知識を共有することで、医院全体の診療レベルを底上げできる。

◾️今後の診療への活かし方
ハヤシ歯科では、今回の学びを次のように活かしてまいります。
・歯周病治療において、より確実で丁寧な歯石除去を行う
・器具を常に最適な状態に保ち、安全かつ効率的な施術を提供する
・スタッフ間で学びを共有し、全員が質の高いケアを提供できる体制を整える

今回の院内セミナーは、歯科衛生士が技術を磨くだけでなく、日々の診療をより質の高いものへと発展させる大きな一歩となりました。
ハヤシ歯科では、患者様に安心して通っていただける歯科医院であり続けるために、スタッフ一人ひとりの成長を大切にしています。今後も研鑽を積み、地域の皆様の口腔健康を守る存在として歩みを進めてまいります。


正しいブラッシングの方法で生涯の歯を守る

歯の健康は、単なる審美性だけでなく、全身の健康寿命にも大きく関わります。とりわけ40〜70代の方にとっては、「一日でも長く自分の歯で食事を楽しむこと」が生活の質に直結します。歯を失う最大の原因であるう蝕(むし歯)や歯周病の予防 に欠かせないのが、日々のブラッシングです。
しかし、自己流の磨き方では歯垢(プラーク)を十分に除去できず、知らぬ間に病気が進行してしまうことがあります。ここでは、科学的根拠に基づいた正しいブラッシング方法を整理いたします。

1. ブラッシングの基本姿勢
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、歯ぐきに対して45度の角度をつけて当てます。力を入れすぎず、小刻みに動かすことで歯と歯ぐきの境目にたまるプラークを効果的に落とすことができます。



2. 部位ごとの磨き分け
・前歯の裏側:歯ブラシを縦にして、毛先を上下に動かすように。
・奥歯のかみ合わせ面:軽く噛む面に毛先を当て、前後に動かします。
・歯と歯の間:歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、通常のブラッシングでは届かない汚れを除去できます。

3. 時間と頻度
理想的なブラッシングは 1回3分、1日2〜3回。とくに就寝前のブラッシングは最も重要です。睡眠中は唾液の分泌量が減少し、細菌が増殖しやすいため、丁寧に磨くことでう蝕や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。

4. 歯ブラシと補助用具の選び方
・歯ブラシ:小さめのヘッドで柔らかめの毛先を推奨。歯ぐきに優しく、細部まで届きやすい設計が理想です。
・電動歯ブラシ:手用ブラシでのブラッシングが難しい方には有効ですが、使用方法を誤ると歯や歯ぐきを傷める可能性もあるため、歯科医の指導を受けると安心です。

※出典:日本歯科医師会「お口の予防とケア」
https://www.jda.or.jp/park/prevent/index08_04.html



ハヤシ歯科では、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせて、最適なブラッシング方法や補助用具を丁寧にご案内しております。
また、定期的なプロフェッショナルケアを組み合わせることで、日常のセルフケアでは取りきれないリスクを軽減し、生涯にわたる歯の健康をサポートいたします。