ハヤシ歯科レポート

プラークコントロールの本質|セルフケアとプロフェッショナルケアで守る口腔の健康

むし歯(う蝕)や歯周病を予防する上で、最も基本でありながら最も重要な行為がプラークコントロールです。
プラーク(歯垢)は、目に見えにくい細菌の塊であり、放置することでむし歯や歯周病の原因となります。しかし、日々のブラッシングやフロッシングだけでは除去しきれない部位があることもまた事実です。
ハヤシ歯科では、患者様ご自身のセルフケアと、専門家によるプロフェッショナルケアを組み合わせた予防管理を重視しています。本記事では、その必要性と仕組みについて詳しく解説いたします。

プラークの「完全な除去」はセルフケアだけでは難しい理由
歯と歯の間、奥歯の咬合面、深い歯周ポケットなどは、たとえ丁寧にブラッシングを行っていても、セルフケアでは届きにくい部位です。特に高齢になるにつれて、歯ぐきの退縮や補綴物の増加により、清掃の難易度はさらに上がります。
プラークは形成から24〜72時間で成熟し、有害性が増すため、定期的な専門的クリーニング(PMTC)によって、セルフケアでは落としきれないプラークやバイオフィルムを除去することが必要です。

※参考文献:
日本歯周病学会「歯のメインテナンス」
https://www.jacp.net/perio/mainte/

メインテナンスの本質は「治療後の健康の持続と再発予防」
治療によって得られた健康な口腔環境も、時間の経過とともに自然に悪化していく傾向があります。このため、定期的なメインテナンス(予防管理)を行い、再発を未然に防ぐことが非常に重要です。



ハヤシ歯科では、患者様の年齢・歯周病リスク・プラークの付着状態などを総合的に評価し、2、3ヶ月の間隔で個別に設定したリコールプログラムを実施しています。このリコールを守らずに放置すると、病気が再発・進行し、再び治療が必要になる可能性が高まります。
・プラーク染色を用いた視覚的なセルフケア指導
・電動歯ブラシや歯間ブラシ等の器具選定サポート
・歯科衛生士によるPMTC(機械的歯面清掃)の実施
・唾液検査・歯周ポケット検査によるリスク評価
・メインテナンス内容を個別記録・共有し継続管理
プラークを「ゼロにする」のではなく、「コントロールする」ことこそが、う蝕・歯周病のない人生を実現する鍵であると、私たちは考えています。